こつにくしゅ

骨にできるガンの一種です。うさぎにとってはまれな病気ですが、一度できてしまうと進行が早く命にかかわることがあります。骨を破壊しながら腫瘍が増大し、周囲の組織や臓器、最終的には肺などへ転移する可能性もあります。

原因

原因ははっきりしていませんが、以下のような要因が考えられます

・遺伝的な要因。
・慢性的な炎症や外傷の部位に発生することも。

症状

初期には気づきにくいことが多いですが、以下のような症状が見られることがあります

・足を引きずる、歩き方がおかしい。
・骨が腫れる(触ると痛がることも)。
・食欲不振、元気消失。
・体重減少。
・痛みから動きたがらない。
・顔周りや顎に腫瘍ができた場合、よだれや食べづらさが出ることも。

発症しやすい部位

・四肢(特に後肢の大腿骨や脛骨)
・下顎(まれに顔周りにもできる)
・脊椎(背骨)

診断

動物病院での検査が必要です

獣医師が以下のようなことを確認します。

  • レントゲン検査(骨の異常がわかる)
  • CTやMRI(より詳細な画像診断)
  • 生検(腫瘍の一部を採取して病理検査)
  • 血液検査(全身状態の把握)

治療

進行度や体力によって選択肢が変わります

1. 手術
・腫瘍のある骨を切除する。
・場合によっては断脚。
※早期で局所的な腫瘍であれば効果的なことも。

2. 放射線療法
痛みの緩和や腫瘍の縮小に使用される。

3. 化学療法
犬や猫ほど一般的ではないが、再発や転移予防に行うことも。

4. 緩和ケア
完治が難しい場合、鎮痛剤や生活サポートによってQOL(生活の質)を保つ。

飼い主さんができること

・日々の観察を大切にする(歩き方や食欲に注意)。
・定期的に動物病院で健康チェック。
・痛みを感じさせないような生活環境を整える。

ふうた

ふうた

ふうたは歯根膿瘍の疑いで検査をした結果、下顎骨の骨肉腫でした。
この病気は進行が早いため、飼い主のサポートが必須になります。
高齢のうさぎさんになるほど発症する傾向にあるので、高齢期は注意が必要です。もし罹患した場合は、獣医の先生としっかり相談し、生活環境の見直しをすることが重要になります。

下顎骨の骨肉腫

参考までにふうたが罹患した下顎骨の骨肉腫を記載しておきます。

初期症状

・左目の涙が止まらない(骨肉腫が発症した側)
・時折、食べづらそうな様子を見せる。
・口の中を気にする様子が見られる。

診断前

・定期検診で左頬に小さなしこりが見つかる。
・歯根膿瘍の疑いで治療を続けていたが改善せず。
・口内炎もできたので念のため全身麻酔で検査を行う。
・左下顎に腫瘍が見つかり病理検査に出した結果「骨肉腫」と診断される。
・手術も治療もできないとのことで、鎮痛剤で緩和ケアを行うことに。
・好きなものを好きなだけ食べさせ、なるべく一緒にいるようにしました。

末期

・よだれで下顎がずっと濡れている。
・目で見てわかるほど下顎が腫れ、腫瘍が大きくっているのがわかる。
・腫瘍の影響で咀嚼が出来ず、自力で食事がとれなくなる。
・3時間おきに流動食を食べてもらうことに。
(飼い主の睡眠時間は1日2時間ほどでした)
・痩せて食がどんどん細くなる。
・脱水症状にならないよう病院で水分補給の点滴を受ける。
・亡くなる1日半前に流動食も食べれなくなりました。

自力で食べられなくなり、流動食だけで2ヶ月半がんばってくれました。

下顎骨の骨肉腫末期状態
末期になると数時間おきの流動食が命綱になります。

この記事を書いた人 Wrote this article

ふうたの飼い主

ふうたの飼い主 男性

20年近くにわたりうさぎさんと共に生活をしました。 現在は、縁あって保護した元野良ねこ(つむぎ・よもぎ・ソラ・テト・ミルク)と生活中。2025年3月に保護したミルクは身ごもっており、2週間後に6匹の赤ちゃんを出産。現在、11匹の猫屋敷と化していますが、いつかまたうさぎさんと暮らせることを夢見つつ、今はうさぎの飼い主さんたちの力になれればと当サイトを立ち上げ活動中です。