涙嚢炎
るいのうえん 涙嚢炎 涙をためる袋である涙嚢……
きょうせんしゅ
胸腺腫
胸腺腫は、うさぎの胸の奥にある「胸腺」という免疫器官にできる腫瘍のことです。この腫瘍には成長がゆっくりで比較的安全な良性のものと、急速に広がる悪性のものがあります。胸腺腫が大きくなると胸の中の重要な臓器を圧迫し、呼吸や心臓の働きに影響を及ぼすことがあります。進行すると命に関わる場合もあるため、早めの対応が重要です。
胸腺は胸の奥、心臓の近くに位置しています。この部分に腫瘍ができると胸の中で圧迫が生じます。
主に中年から高齢のうさぎで多く見られますが、若いうさぎでも発症する可能性があります。
・呼吸が浅くなったり、ゼーゼーと音がする
・呼吸をするために胸やお腹が大きく動く
・顔や前足がむくむ(血管が圧迫されるため)
・粘膜(口や鼻の中)が青白くなる(酸素不足を示す)
・元気がなくなる
・食欲が落ちる
・体重が減る
・前足に麻痺が出る場合も(神経の圧迫による)
胸腺腫になる正確な原因はまだ解明されていません。
ただし、次のような要因が関係している可能性があります。
・遺伝(うさぎの遺伝的な体質が影響している場合があります)
・免疫の異常(胸腺が正常に働かないことで腫瘍が発生することがあります)
・環境ストレス(不適切な飼育環境が原因になる場合もあります)
・胸部の触診や呼吸音の確認。
・レントゲン(胸腔内に異常な影があるか確認)
・超音波検査(腫瘍の性質や周辺組織への影響を調べる)
・CT検査(腫瘍の詳細な形や広がりを確認)
腫瘍の細胞を採取して、良性か悪性かを判断。
体内の炎症や貧血の有無を調べる。
・腫瘍が小さく切除が可能な場合、手術が最も効果的です。
・胸腔内の手術は難易度が高いため、経験豊富な獣医師のもとで行う必要があります。
・手術が難しい場合や腫瘍が悪性である場合に行われます。
・悪性腫瘍の場合、抗がん剤を使うことがあります。ただし、うさぎに適応できる薬剤は限られています。
・痛みや呼吸困難を和らげる治療を行います(酸素吸入や鎮痛剤の使用など)
・良性腫瘍の場合、早期に手術を受けることで元気を取り戻す可能性が高いです。
・悪性腫瘍の場合、腫瘍の進行度や転移の有無によって予後が異なります。早期発見が鍵となります。
胸腺腫の完全な予防は難しいですが、次のポイントに注意することで早期発見や健康維持につなげられます。
・うさぎの呼吸や活動の様子に注意を払い、普段と違う点がないかチェックします。
・獣医師による診察を定期的に受けることで、異常を早期に見つけることができます。
清潔でストレスの少ない生活環境を整え、健康的な生活をサポートします。
胸腺腫は進行すると命に関わることもある病気ですが、早めに対処することで改善が見込める場合もあります。少しでも「おかしいな」と感じたら、すぐに獣医師に相談することをおすすめします。