うさぎの梅毒

うさぎのトレポネーマ症は、スピロヘータという細菌が原因で起こる病気です。この細菌は主にうさぎの性器や顔の周り(鼻や口)に炎症を引き起こします。他の動物や人間にはほぼ感染しないので、うさぎ特有の病気と言えます。「うさぎの梅毒」や「スピロヘータ症」とも呼ばれることがあります。交尾によって感染するので、多頭飼いされている場合はすぐに隔離することをお勧めします。放置すると重症化しますので、早急な診察と治療をすることが重要です。

皮膚の病気イメージ01

原因

スピロヘータという細菌の一種で、うさぎ特有の病原体です。他の動物や人間に感染することはほとんどありません。

感染経路

主に交尾によって感染します。
感染している母親から仔うさぎへの垂直感染(授乳時など)も可能性があります。
皮膚の傷を介して感染することもありますが、皮膚からの感染は稀です。

症状

初期症状

外陰部、肛門周辺、鼻、口の周囲などに潰瘍やかさぶたが見られます。
初期には赤くなり、進行するとびらんや膿が発生します。

進行症状

潰瘍が拡大し、痛みやかゆみを伴うことがあります。
性器や顔周辺の腫れ。
感染が重度の場合、食欲不振や元気消失が見られることもあります。

無症状キャリア

一部のうさぎは症状を示さず、他のうさぎに感染を広げるキャリアとなることがあります。

診断方法

外見的な観察

症状が典型的であれば臨床診断が可能。

顕微鏡検査

潰瘍や分泌物を採取し、スピロヘータ菌を確認。

血液検査

抗体を検出することで診断。

PCR検査

遺伝子レベルで病原体を確認する高精度な検査。

治療

抗生物質

主にペニシリン系抗生物質(プロカインペニシリンGなど)が使用されます。注射で投与することが一般的です。

外用薬

症状部位には、抗菌薬を含む軟膏が使われる場合があります。

隔離

感染を広げないように感染個体を隔離することが重要です。

予防

交尾の管理

未感染のペアを交尾させることが重要です。
新たに迎えるうさぎは、感染の有無を確認するまで既存のうさぎと分けて飼育する。

衛生管理

ケージや周辺環境を清潔に保つこと。
感染部位に触れた場合すぐに手を洗うこと。

定期検診

獣医による定期的な健康診断を行い、早期発見を目指します。

ふうた

ふうた

早期の治療がとても重要です。放置すると症状が重篤化してうさぎの健康を大きく損ねる可能性があります。
自己判断で治療を行わないこと。 必ず獣医師の指導を仰いでください。
トレポネーマ症は適切な治療を受けることで完治が可能です。日常的な観察を怠らず、異常が見られた場合は早めに専門医の診察を受けましょう。

この記事を書いた人 Wrote this article

ふうたの飼い主

ふうたの飼い主 男性

20年近くにわたりうさぎさんと共に生活をしました。 現在は、縁あって保護した元野良ねこ(つむぎ・よもぎ・ソラ・テト・ミルク)と生活中。2025年3月に保護したミルクは身ごもっており、2週間後に6匹の赤ちゃんを出産。現在、11匹の猫屋敷と化していますが、いつかまたうさぎさんと暮らせることを夢見つつ、今はうさぎの飼い主さんたちの力になれればと当サイトを立ち上げ活動中です。